(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第29章 災難は凡ゆる形で襲い来る
平日に振替休日があって高校が休みの私と、依頼が無いから事務所で待機していた父さんが一緒にいた時だ。突然壊れるぐらいの勢いと音でドアが開かれ、「工藤新一はどこや!!」と一人の男が怒鳴り込んで入って来たの……。男は何年も使ってるような帽子を目深に被っていて、渋めのジャージとジーンズを纏った色黒肌で、多分口調から関西人だと思う
そう思っていたらやっぱり、予想通りこの人は大阪出身で服部平次という名前らしく、西の高校生探偵と呼ばれる有名人だった。何でも自称ライバルのようで自信満々な態度だったし、思いつきで東都に来たはいいけど新一の居場所が分からないから来たのだと……。それを苛立たしげに説明されて、しつこく新一の居場所を聞こうとするので私も当然腹が立って仕方がなかった
だって新一は本当にいないんだもの、私や父さんや新一の家族も会えないんだもの……。はっきり言って、服部君より新一の家族や私の方が断然会いたいに決まってる。新一自身も電話で直接言ってくれた、早く事件を解決させて戻りたいって!だから服部君に対して怒って睨んでいると、小学校から風邪気味だったコナン君が帰ってきたり、依頼者が来たと思ったら上から目線な彼も仕事について来たり……
普通は探偵だからって他所の人は同行させないんだけど、あまりに着いてくるって頑固な服部君。だから父さんも遂に本気で怒ってしまって「駄目だっつってんだろ!」って怒鳴った後、コナン君は風邪だからお留守番にさせて、私は事務員みたいな立場だから二人で依頼者の家へ向かった。そしたら風邪気味のコナン君は無理やりお酒(中国酒)を飲まされ、ふらふらなのに服部君が同意で背負って私達を追跡しちゃって……
小五郎「んなっ?!何で着いて来てんだバッカ野郎!!これは毛利探偵事務所の依頼だし、コナンは体調不良で酒まで誤飲してんだぞ?!」
服部「う゛……っ。お酒は確かに子供の健康に良くない、法律的にも俺が悪いからきちんと反省しとる……。せやかて坊主が行きたがっとったし、俺も工藤とおんなじ探偵や!依頼あるって聞いて放っとけるかい!」
小五郎「だから俺が依頼を受けた探偵なんだよ!!」
そう言い合ってる間に依頼者のお宅に着いた私達だけど、結局四人で出向いたそこでは外交官の辻村勲さんが毒殺されていた───
