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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第29章 災難は凡ゆる形で襲い来る





そうして何とも迷惑な騒動がきっかけだったが、俺は漸く蘭との関係にどうしようもなく危機感が芽生えた。これじゃあ俺は、初恋の相手すら碌に大切に出来てねぇ駄目な男じゃねぇか。今まで姉さん達や園子に散々忠告された癖に、新一もコナンも泣かせて困らせて最低すぎると自覚した。だから俺は公衆電話を使って蘭に電話をかけて、声は風邪気味だからと声をめちゃくちゃ低くしながら久しぶりに喋ったのだ


姉さんは俺が探偵の仕事で遠い場所で忙しく、連絡が取れないって説明しているので言い訳が大変だった。しかもこんな俺の体調なんかも気遣ってくれて、「電話している場合じゃない」や「きちんと休みなさいよ」と言ってくれて……。勿論、俺が今は危ない事件に関わってるって言うと、さすがは元警察官で現探偵の娘らしく「無理に電話はしなくていい」やら、「迂闊に危ない行動してたら駄目だからね」とご忠告……。ついでにコナンの情操教育も怒られちまったし、最後は落ち込んだ声で「新一の趣味に文句はないし否定しないけど、偶には事件とミステリー以外にも色々興味を持ちなよ」と言われちまって頭が痛かった……


けれど初めて思い切って電話したその日以降、「家族も含めて皆に電話は内緒にしといてくれ。心配かけるし危険なんだ」と何度も念押しし、頻繁じゃないけど蘭と連絡を取るようになった。しかし俺の潜伏にとって良くない行為である認識はあるし、本来の自分で話したいあまりに現状を忘れ、迂闊にも蘭を危険に晒してる事実に後から気づいてしまった。かと言って蘭の為でも連絡を断てる気持ちの強さもなく、俺は更なる罪悪感を抱えて生活している……


───新一side END











───蘭side

とある新一の偽物彼女と脅迫事件の後、何故か今は危ない仕事で忙しい筈の新一と連絡を取るようになった。一応新一本人は内緒にしてほしいって言ってたけれど、尚更そういうのは意思の疎通が大事なんだと思って、悪いけどお姉さんには報告しておいた。正直私の新一に対する好意は恋愛で間違いないけど、格好いいとか頼もしさを感じつつも、不安で放っておけない気持ちもあった。きっと離れ難いと思っているこれは、庇護欲と言っても過言じゃないんだろう……。園子も微妙な表情になって否定しなかった


そんな憂鬱な思いを抱えたある日、またもや新一関連の事件とトラブルが起こった
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