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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第29章 災難は凡ゆる形で襲い来る



次第に蘭は赤木さんを問い詰める勢いが無くなっていき、遂には愚痴や弱音に変わっていって苦笑いを浮かべた。そのせいで最初は動揺していた赤木さんもだんだん大口を開けて呆然とし、俺も日頃は聞けなかった蘭の不満の全てが吐露されて非常に気まずい




蘭「それに何時でも何処でも、新一が一番活き活きするのはホームズの話なんです。謎解きや推理が自慢するぐらい大好きなので、その場の何気ない話題や娯楽よりもミステリーの話で喜んじゃって……。別に夢を叶えて活躍するのは凄いし、趣味の追求も本人が喜ぶ姿を見れるし嬉しいですけど危なかっしくて心配や不安が絶えなくて…。それぐらい新一にとって探偵は全てで、彼女がいるのは怪しいと思いまして……」


赤木「……」


新一「そそ、そそそ、そんな事ないよ!新一兄ちゃんは確かに彼女がいないけど、それは蘭姉ちゃんと過ごすのが良くて!その……、とっても大好きなんだよ!信じてあげて!」




そのやり取りで語られた話が意外すぎたらしい赤木さんは、寂しげな表情で俯く蘭の落ち込み具合で本当なのだと疑う事なく絶句した。そりゃあマスコミでしか知らない工藤新一の日常を聞いて、華麗な活躍の裏が平穏に程遠い生活だったら誰しもドン引きだろう。俺も正直、事件と推理のことしか考えられなかった日々から離れ、相変わらず事件には遭うけど漸く色んな物事に目を向けられて異常だと気づいたのだ


だから必死にコナンの姿で恥じらいながらもフォローしていると、その目を細めて儚く微笑んだ蘭が「そうだといいな……」と呟いた。なので精一杯励ます為にも、「そうだよ。だって僕のさっきの言葉、新一兄ちゃんから聞いた本音だもん!」と全力で声を張って伝えた。すると全く元気が無くなっていた蘭が目を見開いて驚き、徐々に頬を赤らませながら小さく「新一……」と俺の名前を呟いた時だ


暫く沈黙したまま向かいのソファに座っていた赤木さんが、「ご、ごめんなさいっ!」と謝った事で彼女の事情がすぐさま明らかとなった。プロのサッカー選手に脅迫電話が来ており、その事を何とか解決してもらう為に工藤新一を探してほしいと現れたのだ……。そして俺の彼女と偽ったのは単なるその場の勢いであり、はっきり真っ赤な嘘だと白状してくれた


その後、赤木さんと名乗った女性のお家に皆で着いて行って、何とか無事に事件は解決したのだった───
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