(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第29章 災難は凡ゆる形で襲い来る
しかし頑なに嘘をついてまで俺と会いたいのは何故なのか、こうなりゃ直球勝負で「彼女だなんて嘘だよね?」と言おうとした時。俺が口を開くのと同時に事務所の入り口が開き、上の階にある毛利家の自宅に篭った蘭が早くも帰って来た。ガチャッとドアが開いた音で蘭の姿に目が向き、出しかけた疑問の言葉は話せなかった。そして去り際の怒りっぷりが見る影もなく、僅かに緊張を滲ませながら慌てて俺の横に座ると赤木さんに向き合った
蘭「さっきはすいません、突然出て行って待たせてしまって」
赤木「あ、いえ!」
蘭「実は工藤新一と私は家族ぐるみの幼馴染で、さっきは新一の家族と連絡を取ってました。ですけど今は新一自身に連絡を取れる余裕が無く、会ったり話を通すのも無理で、実家を留守にしたままみたいで……。なので新一を探す依頼は出来ません、申し訳ないんですけど……」
「赤木い、いえ!そんな、謝らないで下さい!確認ありがとうございました、いないんですね……」
蘭が申し訳なさげに頭を下げて新一の世間的な言い訳を伝えてみると、赤木さんは何故か一層顔色が悪くなって酷くショックを受けていた。しかし何とかそれを誤魔化すように早口のお礼を言って立ち上がる姿に、よもやこのまま帰るのではと引き止めるべく慌てた時だ
蘭「それと……その、確認ですけど、赤木さんって本当に新一の彼女なんですか?」
「「えっ」」
言葉を吃らせた蘭が申し訳なさげな表情をし、躊躇いがちに怪しむ発言をするので思わず驚いた。本当にさっきまでの様子とは違いすぎるし、やはり嘘が苦手そうな赤木さんも強張った顔で体を震わせた
蘭「アイツとは幼稚園の頃からずっと一緒なんですけど、彼女がいるならきちんと異性と距離を置くと思うんです。それに幼馴染の私には家族が連絡をくれて、其方に連絡がないなんて……」
赤木「!!えっと、それはその……」
蘭「しかも新一は探偵の仕事が最優先です。ドタキャンで仕事が入る時も多いし、暇があるより事件を解くのが楽しそうで……。だから事件で忙しいのに恋人がいて、女の幼馴染とは登下校も二人、両親が留守の家に上げ、私とご両親に会いに海外旅行や、デートに間違われそうな施設に遊びに行くのは……。女性のファンレターにも浮かれてましたし、あの様子は彼女がいるとは思えなくて……」
新一「う゛っ……」
