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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第29章 災難は凡ゆる形で襲い来る



毎回推理の判断材料を調べたくてこっそり動き回っているが、そんな俺に気づくと「気分悪くなるぞ」と蘭やおっちゃんの所に強制で戻された。恐らく伊達刑事達が言って来る言葉は、きっと普通に子供を気遣うだけのものじゃなくて、彼らや周囲が言い辛い本音でもあるんだと思う


毎日事件が起こっていて、巧妙に殺された遺体があって、色んな理由で犯行に及んだ容疑者がいる……。そんな悪意に満ちた現場を子供が慣れきり、忍び込む為に駄々を捏ねたり嘘をつき、明らかに悪知恵でぶりっ子を演じるのを厭わず、恐怖よりも意地に駆られて行動している。そんな言動が良く思われないのは承知だ。そうやって色んな人達を振り回してる事は反省はしている。正直自分でも頑固すぎると呆れているんだけど、探偵としての性と負けず嫌いが妥協を許さなかった。小学生の江戸川コナンでは元のように動けないし、大人の毛利小五郎を盾に誘導させるしかないのも本音は嫌なのだ


ただでさえ窮屈な生活がストレスなのに、自分がいなくても事件が解決するのを見るのが辛かった。皆に頼られたい、絶対認められたい、一番に謎を解きたい……。そんな衝動的な欲望と承認欲求が心の中で渦巻いている中、それより更に深刻で焦燥感を煽られる問題がある。黒尽くめの男達の情報、遭遇する機会が一度も無い事だ……。先が見えない事は承知で覚悟はしてあたけども、こうも手掛かり一つも無いのは気が滅入る……


そして何度も事件で問題行動を起こして来た俺は、とうとう想像を斜めに超えた壁にぶつかった。日頃のそっくりアピールのおかげで正体が疑われる事なんて無いままなのだが、それ故に見当違いなトラブルが発生したのだ。なんと事件現場での行動全てがPTSDと思われ、母さん扮する江戸川文代が許可したばかりにカウンセリングと病院に連れて行かれるという問題が起きたのだ。俺が何度もトイレや「おじさんに言われて」と言うものだから、一時的にそういう錯覚が起こっているのか、或いはそれを理由に現場に行かずにいられない心理的なものかと疑惑が浮上したらしい……


周りは俺への不安と心配のあまり、そう考えて総合病院の耳鼻科や神経内科、泌尿内科などを受診させて来た。もちろん俺は健康だから違和感も無いと訴えたけど、論より証拠と蘭達や母さんに返され、検査を受けた結果はもちろん異常なし健康体だ
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