(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第26章 小さくなった名探偵
蘭【え?でも姉さんには仕事があるし、私もちゃんと一人で帰れるよ……?】
椎奈【私はここ何日か休暇をもらってるわ、新一の事は安心して大丈夫よ。それに本心は恐くて心細いんでしょう?私に変に強がらなくても良いんだよ】
蘭【……うん。ありがとう姉さん、父さんに連絡してみるね】
電話越しに涙声で喋ってくれた蘭ちゃんに対し、夜中に一人で工藤邸に来ないよう言葉を選んで優しく誘導しておいた。そうしたら多少は元気になれたようで、まっすぐ小五郎さんとお家に帰る気になってくれたようだ。これで残るは江戸川コナン……もとい可愛い弟と博士に接触、原作に添いつつ緩すぎる危機感と行動力に歯止めをかける役だ───
*
泣いてる蘭ちゃんが電話を寄越して数時間後。ずっと書斎で読書を続けていると、玄関側から廊下を歩いて来る音がして、いよいよ二人が来たかと読書を中断した。片手は読んでたミステリー本を閉じて持ち、もう片方の手では胸元を揺れる零くんからのネックレスに触れる。そうやって少しでも落ち着かんとしていた時、書斎のドアが開かれて幼い子供の新一と博士が現れ、私がいた事に目を見開いて驚いていた
私も前世で知っていたとは言え、ぶかぶかの上着を着ているだけの幼すぎる弟の姿にじんわり涙が込み上げてきた。だってこの子は毒を飲んで苦痛と戦い、数パーセントの可能性で生き残ってここにいる……。頭を強打されてそのダメージを負いながらも逃げ延びたんだ
椎奈「新一……?」
阿笠「なっ、椎奈くん?!帰っておったのか?!」
新一「そ、そうだよ姉さん!体が縮んじまってるけど、間違いなく俺は新一だ!さっきは博士でも分からなかったのに……」
阿笠「う゛っ……仕方ないじゃろう?普通は若返りなんて想像出来んぞ?せいぜい思うならそっくりさん程度じゃ」
本当に私と同じぐらいから小1時代まで縮んでいて、実際起こった幼児化に少しの間碌な言葉が出なかった。けれど自分が新一なんだと分かってもらえてホッとしたのか、気の抜けた笑みて歩み寄ってきたのでその小さな肩に両手を置いて眉根を寄せた
椎奈「……あなた新一なの?」
新一・阿笠「「え」」
あたかも完全に新一とは見抜けてなかったフリを演じ、確認するように問えば二人はその目を点に間抜け顔で呆然とした