(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第26章 小さくなった名探偵
それからどうにか上着だけを着て夜道を駆け、実家に到着したけど門扉のノブには手が届かずに、向かいに住んでる博士に遭遇した。最初はもちろん信じるどころか疑い、大人を騙すとはと怒っていたけど、博士と親しい俺だけが知ってる秘密……お尻の黒子の事を喋ると漸く信じてもらえて
そんな博士のお陰で俺は家の中に入れ、この状況について話そうと二人で書斎に行けば……
椎奈「新一……?あなた、新一よね?」
書斎の中の真ん中のデスクで本を持ち、読んでいた姉がドアを開けた音でその顔を上げる。そうして姉が俺と博士を視界に捉え、俺を見た途端に両目を見開くと俺を工藤新一と見抜き、疑う事なく涙を滲ませ驚いたのだ……
───新一side END
*
私は新一と蘭ちゃん達がトロピカルランドへ行っている最中、夕方頃に実家へ帰って書斎を陣取っていた。いずれ博士と幼児化しちゃった新一が帰って来るのに備える為だ。そして夜になったある時、私のスマホに蘭ちゃんからの電話がかかってきた。私が普段から新一と何かあった時、蘭ちゃんにとって辛い事があった時は遠慮せずにかけても良いと言っている……
つまり今の時間帯を考えるなら、その内容をすぐに察せた私は3コール以内に電話に応答した。するとスマホ越しに聞こえた蘭ちゃんの声は、心細さと色んなショックで鼻を啜って泣いていた
椎奈【もしもし?蘭ちゃん?】
蘭【ね、姉さん……ぐすっ、トロピカルランドで遊んでたら事件があって、新一が解決してくれたんだけど……夜になって突然「先に帰ってくれ」って……】
椎奈【……そっか。せっかくの遊園地なのに災難だったね、蘭ちゃん事件が怖かったんでしょう?もう大丈夫よ、泣かないで?あの子が最後にそう言って行ったの?】
蘭【う、うん……。園内を歩いていたら急に、そのままどっかに行っちゃって……。私、何だか嫌な予感がするんです!事件が起きた時だってそう、首が飛んだ遺体を平気で見ていて。今までの事件で見慣れてるって、それが普通たって言われて尚更不安で……。新一が遠くに行っちゃいそうで……】
椎奈【……分かった。それじゃあ新一の事は姉さんに任せて、蘭ちゃんは小五郎さんに迎えに来てもらえるよう頼んでみて?夜道に女の子一人は危険だもの】