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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第25章 いよいよ原作へ



降谷「……」


椎奈「だけど絶対に叶わない、新一はジン達を追って幼児化してしまう……。仮にどんなに厳しく咎めようと、事件に関わる姿勢だけは変わらなかったのよ。私も周りも無茶な行動を止めたいけれど、それでもあの子は、弟は絶対に救えない……。姉失格だわ、これは私の大きな罪だもの……」


降谷「そんな事あるか!!」




ばんっ!!と目の前で褐色の両手が机を叩き、座っていた零くんが怒鳴りながら立ち上がる。その表情は眉間に皺を寄せて険しく、苛立ちを露わに私を睨みつけている。思わず彼の鋭い気迫に驚き、体を強ばらせている私に尚も言葉を紡ぎ続ける




降谷「確かに新一くんの幼児化を防げず、今後、凡ゆる苦難に直面させるのは不甲斐ないさ!だがそれは君だけの責任じゃない!その取引を表立って防げない我々、施設の警備体制の甘さ……何より新一くん自身の軽率さ!それに無闇に抗ってしまえば、予想も出来ない結果を招く!誰も君一人を責めはしない!」


椎奈「そんなの……だからって私は私を赦せない……。あの子を守った事にならない、助けたなんて言えないのよ」


降谷「だったら何だ?!一人で背負う必要がどこにある?!」




未来を知るが故に抱える緊張感、変えた後の恐怖に負けてしまった己の弱さ……。それを運命の年になって一層強く感じ、重荷になっても決して吐き出さないよう努めて来た。だからこの日、彼らに柔い心を突っつかれた私は爆発してしまった。そうして彼が日々の罪悪感や哀しみを孕んだ私の後悔の叫びを聞いても尚、ぶつける分だけ優しく受け止めるように怒鳴り返される。温かくて疎外感を埋めるような、そのまま縋りついて助けを乞うても良いと言われるような……


それだけ力強く私を励ましてくれる零くんは、『でも』とか『だって』を涙声で意味もなく言い続けている私の横に回った。そして屈むような体勢になって私の肩を、崩れかけの精神を受け止めてギュッと抱きしめられる。思わずそうされた事に体をビクッと震わせ、咄嗟に離れようと肩を弱く押すけど全然ダメだった……




降谷「……君は全部を諦めたわけじゃないだろう。俺の同期達を救ってくれたのも、協力者として秘密を明かしてくれた事も!全ては組織壊滅の為で、同志達の諍いの防ぎ、犠牲や失態や危険を減らそうと足掻く為じゃないか!」
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