(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第25章 いよいよ原作へ
諸伏「ああ、是非ともそうしてくれ……。彼の強運と推理力は素晴らしいけど、そんな油断と慢心なんて足元を掬われてしまう。現に本性を隠せないまま晒しすぎ、大勢に怪しまれた挙句正体がバレたり簡単に予想されている……」
降谷「結局はズレを最小限に元の展開は崩せないが、新一くんの意識改革と博士の道具は変えないとな。特に麻酔は毛利小五郎氏の体の具合や、自ら推理させないままで後の始末を考えてない……。と言うか、それ以前の問題として……お前は本当に出来るのか?君は自分の弟を、」
椎奈「………」
私の考察や今後の動向に全員が反対せずに頷く中、零くんだけが私に最後に尋ねようとするけど言葉の続きは口にしなかった。だけど零君達の物言いたげな視線や、怒気と哀しみで眉間を歪めた表情、きつく閉ざした口が不安や心配、躊躇いをしっかり語っていた
自分の弟が毒で苦しみ、戦い続ける運命を耐えられるのか……。無視して罪悪感を抱え続けるのか……。否、そんな事は聞くまでもない……答えるまでもない……。だから彼はそれ以上口にはせず、彼らも何も言う事なく、私も沈黙を守っている。覚悟はとっく昔に出来ていたのだ。そしてほんの数秒間の気まずい空気が流れ、その沈黙を航くんが深いため息でぶった斬る
伊達「……言うまでもねぇ、ここまで来ちまったんだよゼロ。椎奈には耐え抜く意志があって、俺らが支える立場になって、お前も全てを容認した。それら全部が明るい未来を得る為だ」
松田「今更だろーが、なぁゼロ!お前が椎奈にかける言葉は、椎奈がゼロに返す言葉は、慰めや後悔じゃねぇんじゃね?」
萩原「そーだぞ、今は俺らに大した出番がねぇ!報告は後日、日を見て会おうぜ!」
諸伏「椎奈の送迎はちゃんとするから、下の駐車場で待ってるよ」
そう言う彼らはあからさまに私達を残そうとし、航くんは真剣な顔で、陣平くんはじれったそうに、研二くんは不敵に笑って、景光くんは気を利かせたウィンクで。各々言いたい言葉を放って、そのまま順に会議室を出て行った。そうして会議室で私達二人だけになった時、自然と弱音を小声で溢していた
椎奈「……正直ね、あの子にちょっと期待してるんだよ。ジン達を追わず、蘭ちゃんと一緒に帰ってくれるんじゃないかって」