(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第24章 毛利家の事情と阿笠博士
蘭「あ、うん……それも父さん達から聞いてるよ。探偵は一般人だから現場に踏み入っちゃダメで、メディアの探偵も警察を経由して情報や証拠の確認をするんだよね?だけど新一、被害者の携帯を無断で使っちゃうし、遺体に直接触っちゃうし、聞き込みだって松田刑事達が色々先に気づいて質問するのが不満そうで……」
阿笠「まったく、新一も無茶が過ぎやせんかのぅ……。あの子は根っからの負けず嫌いじゃし、大勢に囲まれ事件を解くのが美学と意義じゃと思っとるんじゃ」
椎奈「探偵の美学ね……。showは本来娯楽のための用語だけど、衆目で罪状並べて手錠を嵌めるのは度胸と信頼があってこそ……。探偵は凄いわよね」
これは探偵に対する皮肉じゃなくて感銘の言葉だ。新一も他のメディアに出ている探偵達も、そういう世間の根幹が見えて尚、探偵としての使命を果たそうとしている。しかし事件を解明するより、犯行を考える方が何倍も頭脳や精神を消耗するだろうに……。事件の度にそんな被疑者を見届けるのも辛くなるし、そんな現場で謎を一心に追える探偵達は集中力が凄い。きっとドラマで映らない様な気苦労や雑務もあるだろう、語ってくれた五人の目線は遠い彼方だった
だから思わず私もここじゃない何処かを見ていると、蘭ちゃんは正面で切なそうな苦笑いになる
蘭「……姉さんは本当に強いんだね。私や園子は単純に悲しいなぁ、姉さんみたいに割り切れない。最近の新一は水を得た魚……日常生活よりも事件の現場に求められちゃって。それが仕方ないって分かってるのに、遠ざかってる気がして恐い」
椎奈「……凄くなんかないよ私は。寧ろ蘭ちゃん達はそのままでいて?新一は貴女達と一緒にいたいと思ってるし、恐くていいから信じて背中を支えてあげてほしいのよ。現場に慣れて平然としていられるなんて、駄目なのよ」
「「………」」
少しセンチメンタルで気まずくなった空気、少し申し訳ないけど出てしまっては戻せない。うっかり漏らしてしまった本音だけれど、何となく三人揃ってズズーっと紅茶を飲んで気分を落ち着かせる。そして敢えて別の話題……そう、サラッと流された毛利夫婦の話題!
私は新一が生まれる前からずっと、両親経由で毛利夫婦と親しくさせてもらって来た。二人が仕事で出かけざるをえない時など、預かってもらった事もある
