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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第22章 NY事件



───シャロン(ベルモット)side

通り魔を殺して変装し、FBIの赤井秀一を誘き出すまでは計画通りだった。けれど見事に返り討ちに遭った私は逃走し、廃ビルに逃げ込んだ所で一人の少女と遭遇した。今夜は大雨でずぶ濡れになって、一旦中に潜り込んだ後にこっそり非常階段を降りる所で、しかも作戦を失敗してしまったから最悪続きだ


確か彼女の名前は毛利蘭。シャロンの親友である有希子の息子、工藤新一の幼馴染だった。ならばきっと椎奈とも親しく、仲良くしている少女なんでしょうね。とは言え、どうして彼女がいるのか……それは分からないけどミュージカルの帰りで工藤新一と二人してここに入り込んだらしい



ああ、私は本当に運も立場も悪い……椎奈、ごめんなさいね



脳裏に浮かんだ私のHOPE、椎奈に罪悪感が芽生えた私は胸中で謝った。せめて苦痛を感じないよう楽に、そう思って襲おうとした時だ。場所が廃ビルの側面に付けられた外の階段だったせいで、腐敗した鉄の手すりに体を預けて体重を掛けていた私は、そこが壊れて転落してしまう


あわやそこで事故死しかけた私だったのだけど、すんでの所で毛利蘭に左腕の服を掴まれた。私が言うのも何だが可哀想なほどに怯え、殺されかけていたのに咄嗟の判断で掴んでくれたのだ




蘭「何をしてるの?!早く私の腕を掴んで!!」




必死に助けてくれようとして叫ばれるけど、突然の事で思考が追いつかなかった私は目と歯を食いしばって一生懸命な少女の顔を呆然と見上げていた




蘭「は、早くしないと……雨で手が……」


新一「くそっ、世話のかかる野郎だぜ……」


蘭「(し、新一……)」




毛利蘭の後ろから駆けつけてきた工藤新一、彼も一緒になって通り魔である私の事を救出してくれる。だから思わず「何故だ」と狼狽える私に、蹲って動けない様子の毛利蘭を庇っている工藤新一が口角を上げて当然のように言ったのだ




新一「わけなんているのかよ?」


蘭「(え?)」


新一「人が人を殺す動機なんて理解できやしねーが……人々を助ける理由に、論理的な思考は存在しねーんじゃねぇか?」


ベルモット「!!」


新一「それに姉さんの受け売りだけど……たとえ相手がどんなに凶悪犯でも、救われない命は無い筈だ」
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