第22章 ＮＹ事件

なので降谷さん名義のLIN○に、《今後は降谷さんを零くん、何度か会ったら安室さんを透ちゃんって呼んでもいい？》って送った

そうしたら割とすぐに返信が来て、《別にいいけど、本名は普通で安室の方がちゃん付けなのは何なんだ？》と尋ねられたので、《景光くんの許可は貰いました。笑ってました》と返してみる

するとその後日、景光くんは零くんからのジャーマンスープレックスを食らい、事の次第を聞いて爆笑していた他の同期はコブラツイストで仕留められていた。だけど結局、曖昧に訂正しようとする彼に「安室透は人懐っこいキャラなんだもん、おかしくないでしょ？」と言ってみたら、複雑そうな顔で訂正を諦めさせることができた

一応内心嫌がられないかと不安に思っていたけれど、降谷さんに名前呼びを許されて距離が縮んだ気がして結構嬉しかったりする……









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そんなさり気ない話があった数日後、私は母さんからの連絡で「アメリカに来ない？」と旅行に誘われた。どうやら新一と蘭ちゃんも誘ったらしく、二人も行くというのを予定の見合わせ中に連絡があって知ったのだ


しかも場所がアメリカのニューヨーク、ミュージカルのチケットも取れて、その内容がブロードウェイで評判が高い『ゴールデンアップル』、更には向こうでシャロン・ヴィンヤードに会うと聞けば行かない他は無かった


何せこの機会で新一は探偵として有名になり、蘭ちゃんと二人でベルモットのお気に入りとなる邂逅があった話なのだ。確かミュージカルの開演中に事件が発生し、組織の任務で負傷している変装中のシャロンことベルモットを新一と蘭ちゃんが落下しかける時に救い出したはず……。後はそんな彼女を追跡していたＦＢＩの赤井さんと再会したり、それを蘭ちゃんが高熱を出して思い出すんだっけ


だからどうしても一緒に行きたかったんだけども、残念なのか有難いのか私はその日を含んだ４日間にニューヨーク内で仕事が入りました……。無念だけどミュージカルはお断り、代わりに母さんや新一や蘭ちゃんと一緒に夕飯を食べたり、クリスとと後日会う事になっている


だから私はせめてサマータイムの時差を考えて待ち合わせするよう忠告し、彼方の市警をスピード違反で騒がす事がないように手回しするしかなかったです。正直、飛行機の件は新一を有名にするけど別に無くても才能的に問題無いと思っている───