(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第20章 工藤家の別居と、彼らの深淵
新一「だから決めたよ、俺は探偵の本能だとか使命も大事にするけど、それ以上に誰もが辛さや悲しみや憎しみを軽減出来るような……。救いや報いで後悔も事件も防げる名探偵を目指すよ!そんで悪どい奴らの好きには暴れさせねぇ、必ず自白と謝罪で罪を償わせてやるんだ!」
そう言って私を真っ直ぐ見据えた新一が自身で肝に銘じるように宣言し、握り拳で胸元を叩きながら闘志を漲らせる。その姿は今まで事件と聞いて目を輝かせた頃の違い、現実を見て真面目に取り組もうとしている覚悟が伺えた。だから私はそんな弟の背中を押すべく、軽くデコピンしてやりながら「だったら頑張れ新一!」と励ますのだった───
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椎奈「まぁでも、その後すぐに釘を刺しておいたけどね?あの子すぐに突っ走って無茶するし、『度胸と信念は立派だけど危険は控えなさい、周りの信頼出来る相手や警察達に頼る柔軟性と協調性も大切だ』って言といた。一人じゃ絶対限度があるし、心配ばっかりよ。『仕事の都合で事件に慣れたとしても、それが平穏を遠ざけて良い理由じゃない』んだって事もね」
萩原「確かにそうだもんな、バシッと言ったわけか……。で、新一くんの答えはどうだったよ?」
椎奈「苦笑いで『善処します』よ」
松田「つまりは努力してみたいけど、保証は無理ですってか?信用出来ねぇな」
諸伏さんに連絡が来てから数十分後、宣言通り警察学校組の四人が私の新居に食材を持ってやってきた。現在はリビングで捜査一課の爆処Wエースと諸伏さんが、私も出ているバラエティ番組を最新最大のテレビで視聴しながら寛ぎ、私と降谷さんがキッチンに立って色んな食材で料理を揃えている。もちろん航くんはナタリーちゃんがいるのでここには来ていない
そうして日本食で定番の肉じゃがや味噌汁、野菜炒めを大皿に盛り付けながら私が皆に危なかっしい弟との会話を語ったのだ。すっかり呆れ顔の陣平くんが鋭く突っ込んだ通り、正直当てに出来ない返事で四人全員が複雑そうな表情になっていた。けれど私と降谷さんが料理と食器を持って運んで、テーブルの上に並べて行くとすぐに「おお!!」という感嘆の声が上がった。よっぽど仕事帰りの疲れた体はお腹を空かせていたらしく、食事が待ち遠しかったのか満面の笑みで嬉しそうに箸を握る三人組