(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第20章 工藤家の別居と、彼らの深淵
その様子があまりに恨めしげなので、内心焦ったし戸惑った。だって緑川さん達の事は父さんがしっかり職業・人柄を教えて安心出来るいい人認定をさせている。その時は普通で「だったら大丈夫だな」と笑ってた筈なのに、何故か今は敵を前に威嚇している状態だ。対する諸伏さんはニコニコ愛想の良い笑顔で、新一の無愛想さも何のその……
母さんが「もうほら、拗ねないの新ちゃん!」と厳しく咎めると、「そんなんじゃねぇよ!」と反発しながら渋々と不満そうに緑川さんと正面で顔を合わせる
新一「……姉を宜しくお願いします。ところで本当にただの友人ですか、両親や本人は信じきってますけど」
椎奈「何言ってんの新一?!」
緑川「あははっ、異性で不安だろうけどちゃんと友人だよ!確かに椎奈ちゃんは魅力的で素敵な女性だからね、心配になるのも無理はないけど大丈夫!」
優作「安心しなさい新一、緑川くんとアレックスさんならマネージャーとしても、近所の友人としても信用出来る相手だから。仮に交際になっても問題ない」
椎奈「ちょっと待って??発想ぶっ飛びすぎ!」
どうして異様に新一が警戒しているか漸く分かった。まさかそんな事を考えていたなんて想像もしなかった。私は確かに諸伏さんを始め、警察学校組のメンバー達を大好きで尊敬しているけれど推しで恋愛じゃない。イケメンは癒しで保養なのだ、前世じゃゼロシコで安室の女にはなったが、そんな彼も彼の同期も尊すぎて恋愛なんて滅相もない!
有希子「も〜、椎奈ちゃんってばそういう話ちっとも無いじゃない!女の子はみんな恋愛する時、一番可愛くなりたいって思って成長するの!真面目にお仕事するのも良いけど、恋愛を楽しんだって損はないんじゃない?」
椎奈「お母さん……」
有希子「だから相手が緑川さんじゃなくても、色んな男性に目を向けてみたら?きっとどうしようなく好きで、焦がれる相手が見つかるわ!」
そう言ってお茶目にウィンクする母は、子持ちに思えないほど若々しくて可憐だ。そりゃあ何度も喧嘩をしたし、別れかねない時もあっただろうけど、幸せいっぱいな表情は説得力がある。とは言え、今世に恋愛出来る相手なんて……
そう思った私の脳裏に浮かんだのは、金色の髪とスカイブルーの瞳を持った彼だった───