(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第19章 裏事情2
はぁぁあああ、と重くて長いため息を吐いた降谷さんが肘をつき、頭を抱えながら内容を飲み込んだのか再度「なるほどな」と小さく呟いた。どうやら彼は彼で色々考えてくれていたらしい、話を信じて頑張って納得しようとしてくれている。ドア付近に離れた風見さんだってそうだ、眼鏡を片手で押さえつけて眉間に皺を寄せながら考え込んでいる……
本来はとても馬鹿馬鹿しいと思える事だが、警察の内部事情や裏社会とは無縁と証明された上で、数年前から認知されていた話だった。さすがにどんな突飛な話も理解せざるをえない、これらの秘密は計り知れない脅威と危険を孕んでいる
このうえ正直、私の転生についてまでは明かすつもりがない。自分でも訳がわからない現象だ、二度目の生でも前世と今世は別物だと思う。それにあくまで此処は探偵に解けない謎が無い世界、不用意に口に出すべき言葉じゃないだろう……
だから私の反則的な知識の使い道は、身の安全は降谷さん達に託したい。何せ個人で動くにも限度があるのだ
椎奈「……私のこの真相を知って、降谷さん達はどうしますか?貴方の同期が助かるように先手を打ち、諸伏さんと本堂さんを匿う時点で、既に色々と協力する意思は揺らいでません」
降谷「フッ……そうだったな、君は存外頑固で逞しい女性だった。無性に危うすぎて心配になるが、ああ、一緒に知識と力を合わせて戦う相手として信用出来る」
君も護るべき国民の一人、巻き込みたくはないのにな。そう言って肩をすくめた彼は、降参を示すように困ったなような、擽ったくて嬉しそうな笑みを浮かべている
そんな降谷さんの賞賛の言葉に、温かい表情と声に気分が高揚したり心臓が煩くなって歓喜したところで。すぐに彼は引き締まった表情で声を低くする
降谷「しかし契約した以上、後には退けないぞ。此方が強制したり頼りきりになる気は無いが、時に手段を選んでいられない事態もある。君の秘密は俺と風見と同期の中で秘めておく、上層部にも外部にも漏らさない。約束しよう」
椎奈「降谷さん……」
降谷「それにSHINAのスペックは部下の覆面や潜入捜査の役に立つ、演技指導も余裕があれば伝授させてほしい。これらの条件も含め、協力者として身の安全と秘密の隠蔽を誓おう。協力してくれないか?」
端から断るわけがありませんよ