(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第17章 11月7日 2
目に見えて参ってる彼女にため息混じりの釘を刺し、最後にもう一度深いため息が出るのは無理もないと思う。だけど怒鳴りたいぐらい心配したと同時に、確かな感謝の気持ちもあって彼女の小さな頭に掌を乗せて撫で回す
萩原「……それにねぇ椎奈ちゃん、最後に一つだけ言っておく。椎奈ちゃんが俺らの想像もつかない事情を抱えてたって、その責任を強要する気はないし、陰で背負う必要もない」
椎奈「……え?」
萩原「もっとオープンに頼ってくれなきゃ!俺らだって椎奈ちゃんの事を全力で支えたいし、警察としても私情としても、協力と信頼に報いたいし護りたいんだから!」
俺が最後に明るくそう言ってやれば、またも唖然としていた椎奈ちゃんだけどすぐにポロポロ涙を流しながら嬉しそうな笑顔で大きく頷いた。彼女は何だか憑き物がとれて晴れ晴れとし、「ありがとう」と泣くから俺がかけた言葉は正しかったんだろう……
それからは早急に爆弾を解体させるべく、椎奈ちゃんに避難するように言って逃げる彼女の背中を見送った。すると彼女とすれ違って機動隊の爆発物処理班が漸く辿り着いた。そして事前に頼んで持ってきて貰った防護服を手伝いを借りて着用し、紙袋の側に改めてしゃがみ込む。脳裏に観覧車内で奮闘しているだろう親友の姿を思い浮かべ、ふっと口角を上げた俺は爆弾を解体すべく紙袋に手を伸ばした
……こっちは任せな陣平ちゃん。さっさとそっちを解体しちまって安心させてくれよな?
───萩原side END
普段はチャラくて優しい研二くんに本気で怒られた
ああまで激しく叱られるほど彼らに大事に思われ、無意識に心配させて酷く傷つけてしまう所だった。何なら私は怒鳴られて初めて自分の軽率な行動に気づき、あんな風に説教させてしまった己に深い罪悪感が湧いていた。だって研二くん達にあれだけ散々忠告しておいたのに、こうして自分も言い返される無茶をした
……私は自分が思ってる以上に良縁に恵まれたんだろう。今世の家族で愛情をくれる工藤一家、向かいに住んでる面倒見の良い阿笠ハカセ、姉同然に慕ってくれる蘭ちゃんと園子ちゃん、そして今では仲良くなった警察学校の五人組……。彼らは自分と親しい相手を大切に想える人達だ、そんな優しい皆を私は傷つけかけたのだ