(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第17章 11月7日 2
爆弾と距離を空けた隣で、地べたに体育座り。いかにも爆弾が入ってそうな、怪しい真っ白な紙袋が見えてしまって、背中を這うような底冷えする恐怖を味わった
……一体何でそこにいる?!避難したんじゃないのか、あの子は!!
きっと物凄く急いでここまで来たから、俺の大きな足音が響いて聞こえてたんだろう。駆け寄る俺がはっきり見えた彼女は座ったままで俺を見ていて、小さく「やっと来た……」と泣きそうな歪んだ笑顔で安堵の声を漏らしていた。そんな明らかに恐怖をギリギリ耐え忍んだと分かる呟きが聞こえ、思わず椎奈ちゃんの肩を掴んで詰め寄った
萩原「……っ、馬鹿なのか君は!!俺はちゃんと避難してろって言っただろ?!」
椎奈「だけど爆弾を見張ってないと……誰かが不用意に揺らしたら爆発しちゃうでしょ?」
萩原「だからってなぁ!!犯人次第で死んでしまってもおかしくないんだぞ?!椎奈ちゃん、昔俺らに散々言ってたよなぁ?!家族や皆の気持ちを考えろって……、それは君にも言える事なんだ!電話をもらってどんだけ心配した事か!無闇に命を危険に晒すんじゃない!!周りが悲しむような死に方をするとこだったんだぞ?!」
確かに椎奈ちゃんが警戒するのは最もだ。けれどあまりに軽率すぎる、本当は泣いて逃げたいぐらい怯えていたんだろう?だったら残らずこの場を逃げててほしかった、君だって守るべき一般人で、俺や同期達は個人的にも庇護したい存在で……。だから思わずカッとなって怒鳴ってしまっていた。昔椎奈ちゃんが言ってくれた言葉を、今はすっかり逆転で俺がぶつけてやったんだ
すると思いっきり目を見開いた彼女が驚いていて、今更自分がしでかした事が同じだったと気がついたんだろう。すぐにあちこち気まずい感じで視線を逸らしまくっていて、罪悪感に陥った椎奈ちゃんがシュンと落ち込んで弱々しく謝った
椎奈「……心配かけてごめんなさい。爆弾に誰かが気づいたり、知らずに動かされたら大変だって思ってた。本当に怖くて泣きたかったけど、研二くん達が助けてくれるって信じてた。だから後悔してないよ」
萩原「はぁ〜……、強気で参っちゃうよ。時間もないし一先ず説教は終わりかな?松田と伊達にも後から絶対説教受てもらうからな!」
椎奈「はい……」