(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第17章 11月7日 2
───萩原side
萩原「我らが姫さんからの有力情報だ!二つ目の爆弾が米花中央病院で発見!匿名の通報って事でよろしく!松田に連絡と警察内部に情報提供、それから病院に避難指示と説明を呼びかけて!」
椎奈との電話を切った後、陣平ちゃんには敵わないけどスマホの画面を高速タップし、仲間の一人に通話をスタートさせて助手席にそれを放り出す。繋がった電話の相手は今も姿を眩ます『諸伏景光』、電話のコール音が切れたと同時に大声で早口に言うと、全部聞き取った彼奴が「りょーかい!」と一言返して通話が切れる
一応、ここから病院までの通常運転で到着するのは後10分……だけど、俺の運転テクなら道交法(道路交通法)をギリで守って最短5分でたどり着く。俺は前を見たままハンドルを右手で支え、左手で助手席のボードに収納している覆面パトカー用のランプを取り出した
萩原「さてさて、始末書覚悟でスピーディーに行きますか!」
右手に持ち替えたランプを運転席の窓からルーフに設置させ、ハンドルをそっと一撫でしてから一気にアクセルを踏み込んだ。その途端に強く唸り出す高性能のエンジン、スポーツカー特有の重低音を鳴らした愛車がガラ空きだった道路を滑走する
ギュルンギュルンッ……ギギギィィィイイッ!!
前方を走ってる警察車両を躱し、二台の一般人が乗ってる車間に滑り込み、たまたま通っていた四車線一方通行のそこを有利に活用させて、俺は椎奈ちゃんが待ってるだろう米花中央病院を目指す───
*
俺が病院に辿り着いたら、看護師や医者の誘導があって患者の避難が行われている真っ最中だった。既に中から大勢の避難者達が出ているものの、正面棟の大きな玄関口は騒然として患者達が隙間もなく混み合っている
そんな中でも俺は自慢出来そうな華麗な滑り込みで愛車を適当に止め、解体道具を背負って仲間を待つのも惜しいと一番駐車場に近い位置で避難誘導を行っていたお若い女性の看護師さんに警察手帳を掲げる
そうして少なからず顔色が良い看護師さんから入院用の病棟と近道を聞いて駆け出し、言われた通りの通路を通って椎奈ちゃんが言っていた病棟の最奥に着くと心臓に悪い光景を目撃した
何と椎奈ちゃんが一人きりで避難せず、その場に爆弾のそばで座っていたんだ……