(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第17章 11月7日 2
萩原《……えっ、はぁ?!何やったんだよ、椎奈ちゃん病院にいるの?!しかも仕掛けられた方に?!なんで総合病院とか警察病院の方じゃないの!!というか病院に受診するような事があったわけ?!》
椎奈「……へ?」
ほんの数秒フリーズした後、いきなり向こう側で叫んだ研二くんに今度は私が驚く番だ。恐らく彼の口ぶりからして三択を絞り込み、中央病院と総合病院と警察病院を仕掛け場所に考えていたようだ。確かに何方も患者が多く、人質として十分な人数を確保できる病院はこの辺じゃ二箇所しかない
萩原《……っ、仕方がない。爆処が中央病院と総合病院、それに警察病院に分かれて向かってんだ!俺が中央病院側で助かった!もう後5分でたどり着く!爆弾の状態はどう?何かに入ってる?》
椎奈「え、ええ!入ってるよ。爆弾と同じ大きさぐらいの紙袋……入院患者がいる病棟の一階、最奥に小さい休憩スペースがあって、自販機とゴミ箱の間にあった鉢植えの後ろに置かれてた」
萩原《うわ……そんなもんよく見つけたな!りょーかい!椎奈ちゃんは離れた場所に避難しといてね!》
努めて明るい声で喋ってくれる研二くんだったが、直後に電話越しから車のキキーッっという甲高いブレーキ音が聞こえて電話が切れたから、相当焦って運転している事は明白だ。だけど着くまで5分と言っていた、エースと言われた研二くんなら余裕で解体が間に合う時間だろう……
だからせめて彼が着くまでの間、誰も此処に来ないように見張りをしなくては……。誰かが爆弾を発見したら、騒動になるか爆弾の知識がない人が不用意に動かして爆発させかねない……
そんな不穏な可能性に気づいた私は、このままここで待機する決断をする。そりゃあ爆弾のそばに居続けるのは恐ろしいんだけど、もう少しで救助されるしそこまで不安は感じなかった。本音は逃げ出したいし、助けてって泣き叫んでいたい……。けれど用心しないわけにもいかくて。なので研二くんの言いつけを破ってしまう事を申し訳ないと思ったが、この場に留まる事を選んだのだった───