第11章 僕の誕生日(20歳)①*
side.五条悟
「ねえ?悟さん」
「うん?」
「任務は明日だよね?どうして今日経つの?」
そりゃ。
君と温泉を楽しみたいからに決まってるでしょ。
「今日から山梨の老舗旅館に泊まる予定なんだ」
「山梨なら日帰り出来るんじゃないの?」
「その旅館が今回の任務地なんだよ。それに名前と誕生日をゆっくりしたいしね」
「そっか」
幽霊旅館なんて先に話していたら。
名前は着いてきてくれたのかな?
「呪霊って、私にも祓える?」
「んー。どうだろう?呪具があれば可能だろうけど」
「呪具?」
「呪霊を祓える武器のことだよ」
「そんなのもあるんだね」
呪具があれば可能だろうけど。
何の訓練もしてない君に、渡すのは危険だからね。
「それより旅館に着いたら一緒に温泉に入ろうね♥」
「一緒に入れるの?」
「客室露天風呂があるんだよ。楽しみだね♥」
「…うん…」
いつも一緒に入っているのに。
名前はポッと頬を赤くする。
僕のお誕生日なんだから。
ちょっとくらいご褒美があってもいいよね。
電車とタクシーに揺られて2時間。
漸く僕らは目的地に着いた。