第11章 僕の誕生日(20歳)①*
side.名前
翌日。
私は悟さんに真っ白な携帯電話をプレゼントされる。
「はぁっ…」
「どうした?溜息なんか吐いて」
「硝子さん…」
今は硝子さんの医務室でお手伝い中。
「また何か悩んでんの?」
「悟さんのお誕生日プレゼントの事で悩んでて…」
何をあげれば喜んでくれるんだろう?
「肩叩き券でも配布すれば?泣いて喜ぶんじゃない?」
「本当ですか?」
「名前から貰うものなら、何でも嬉しい男だからね」
「何でもか…」
それが一番困る。
「私はネックレスとか携帯とか色々貰ってるのに、何もあげれないんです…」
「じゃあ、出張に着いてってやれば?」
「そんな我儘を言ったら。学長も悟さんも、困っちゃうんじゃないでしょうか?」
「五条が一緒なら、学長も良いって言うよ」
私はあまり任務に出ない。
「私が学長に嘆願したら、行かせて貰えるんでしょうか?」
「寧ろ五条がよく働くようになって、喜ぶんじゃない?」
そうなんだ。
「あの、硝子さん。私、夜蛾学長にお願いしてきます」
「行ってらー」
私は医務室を飛び出して、学長の元へ向かった。