第2章 お見合い
side.五条悟
名前ちゃんに素敵なんて言われたら
素直に嬉しいけどさ…
ちょっと悪戯がすぎるんじゃない?
「母さん」
叱責すると、
母は口を尖らせた。
「だってぇ。養子縁組の手続きって結構面倒なのよ?」
「はっ?養子縁組?それって彼女を僕の妹にするってこと?」
えっ?
ただ引き取るだけじゃなくて?
家族に迎え入れるってこと?
「どっちも私の娘には変わりないでしょ?弁護士さんに相談したら、結婚した方が早いよーって言うんだもの」
「いやいや。母さん。彼女はまだ高2だよ?これからって時に何も…」
結婚なんて…
「いいじゃない。学生結婚♥って、あら?」
「何?」
「あらあら?」
母は口元に手を当てて、
ニヤニヤする。
「だから何さ?」
強めに聞き返すと、
母さんは笑みを浮かべた。
「悟さん、何で名前ちゃんが高校2年生だって知ってるの?」
あー。
マジでしくった。
それ突っ込んじゃう?
流石、母。
耳敏い。
「あー…多分ね…以前、任務でお会いした事があったかなー?って」
「ふーん♥お顔が赤くなってるわよ♥」
目敏いのもやめてっ!
「なってないしっ!」
「なってるわよー♥」
「あ…あの…ご迷惑でしたら…私は…」
僕と母が口論していると、
名前が申し訳なさそうな顔をする。
違うよ!
迷惑なんて、とんでもない!
そんなしょぼんりした顔しないでよ。
思い切り抱きしめて、
慰めてあげたい。
そんな衝動が込み上げた。