第2章 お見合い
side.五条悟
「…君は…」
天内の…
あの時の女の子だよね?
「悟さん。この子が例の苗字名前ちゃんよ」
彼女の顔を見て、
“ドクンッ”と胸が高鳴る。
3年経って、
君はますます可憐になったね。
神様の悪戯かどうかは知らないけれど、
こうして僕らは再び出会った。
「名前ちゃん。こちらが今の五条家の当主。私の息子の悟さんよ」
「…は…初めまして。悟様」
彼女は僕を見ると、
綺麗な所作で頭を下げた。
「悟様なんて呼び方しなくていいわよ。悟さんで良いわよね?」
「えっ?あ、うん。悟でいいよ。宜しくね」
驚き過ぎて脳がシャットダウンしてたよ。
「あのね。名前ちゃんと話し合ったのだけれど」
「うん」
「悟さんも、そろそろお相手を決めても良い年頃だと思うの」
「へっ?」
首をコテンと傾げて、
笑みを深める母。
「だから名前ちゃんと結婚したらどうかなー?って。ねー♥」
「…えっと…はい…」
「はっ?」
母は彼女の肩を掴んで同意を求める。
名前ちゃんも頬を赤く染め、
コクリと頷いた。
「名前ちゃん。実際に悟さんを見てどう?」
「えっと…お写真で見るより…ずっと素敵だと思います」
えっ?
何これ?
ホントにお見合いなの?
何も言えないで呆然としていると、
母はしてやったり顔をした。