第10章 妻の初任務*
side.名前
動かずに10秒数えていたら、
本当に悟さんが帰ってきた。
「終わったよ」
「えっ?こんなに早く?」
「うん。頑張ったご褒美頂戴♥」
悟さんはヘラッと笑うと、
私の身体を抱き上げてキスを強請る。
頬にチュッとキスすると、
凄く不満そうな顔をされた。
分かったから、
そんな顔しないでよ。
不満気な頬を包んで唇にチュッとする。
「ありがとう。あとはホテルに着いてからご褒美貰うことにするよ♥」
「あ、そういえば。私着替えない…」
「じゃあ、お買い物に行こうか」
「いいの?」
「うん」
帳が見えないよう、離れた場所に待機しているタクシーに乗り込むと、
ホテルのある駅方面へ向かうことにした。
駅の近くは賑わっているから、
お買い物もしやすい。
でもね。
何でランジェリーショップにまで着いてきちゃうかな?
泣きたいほど恥ずかしいけど、
世間の夫婦は普通の事なの?
「名前。これ滑々で控え目だし、名前の好みなんじゃない?」
「うん…じゃあ…それにする」
「E65は…あったよ~♥」
何で私の好みやサイズを知ってるんだろう?
ふと疑問に思う。
そういえば最近、知らない間に服が増えいて、
ごく自然にネグリジェも着せられてる。