第9章 仕組まれた飴と鞭*
side.五条悟
朝、目が覚めると身体に重みを感じる。
これは金縛りではない。
名前が僕を下敷きにして、
猫のように丸まって寝ているからだ。
愛しい名前の温もり。
「名前?名前?」
「…んんっ…もう少しー…」
「…ん…あれ?…悟さん?」
「おはよう」
名前は眠気眼を擦りながら目覚めた。
「おはよう。悟さん。お仕事終わったんだね。お疲れ様」
ふにゃりと笑う名前。
ヤバイ。
可愛過ぎる。
僕は名前の脇の下に手を入れて。
子供を持つように抱き上げる。
そして膝の上に座らせた。
「名前。お疲れ様のチュウしてよ」
「うん」
名前は僕の頬を包み込むと、チュッと口付けをする。
“ちゅッ♡くちゅッ♡くちゅッ♡ちゅうッ♡”
「んっ…はぁっ…んんっ…ふぁっ…」
「はぁっ…これ…何のご褒美?」
「お仕事頑張ったご褒美」
名前はもう一度啄ばむようなキスをした。
そして徐々に深い口付けに変わっていく。