第6章 妻のヤキモチ
side.五条悟
「はぁっ…美味しかったね♥」
「うん」
名前の手を繋いで帰り道を歩く。
店の女性客のせいか。
名前の食が進まなかったのは残念だったけど。
お土産に何個か買ったし。
また家で食べればいいよね。
「名前?」
顔を近づけて顔を覗き込む。
「へっ?」
「さっきからボーッとしてるけど、どうしたの?」
「何でもない」
首を横に振る名前。
そっか。
この僕に隠し事ね…
帰ったら、君をどう料理してあげようかな?
厭らしい事を考えたら、ちょっと膨らんじゃったよ。
もうどうしてくれるのさ。
「ただいまー」
「ただいま」
宿舎に着いて、冷蔵庫にケーキを入れる。
「名前。今夜は何食べたい?」
「…悟さん…」
「えっ?」
幻聴?
僕を食べたいって言った?
驚いて彼女を見ると、顔を真っ赤にして僕を見ていた。
聞き間違いじゃなかったみたいだ。
僕は名前に近付くと、子猫のように抱き上げて。
ベッドへ連れて行く。