第31章 可愛い妻の誘拐
side.五条悟
おかしい…。
任務から帰って来たのに、
名前が出迎えに来ない。
高専内を片っ端らから探すけど、
名前が見当たらない。
おかしい…。
僕は医務室のドアを再度スパーンと開けた。
「硝子ーっ!!」
「五月蝿いな!年寄りじゃないんだから聞こえてるよ!」
「名前がいないっ!」
「はっ?執務室は見たの?」
さっきまで我関せずだったのに。
僕の慌てように驚いて、
硝子も一緒に探してくれる。
「歌姫ーっ!!」
「五月蝿い!聞こえてるっつーの!」
デジャブ?
硝子も同じリアクションとってなかった?
いやいや、
そんなことより…
「名前がどこにも居ないんだけど!」
「はっ?ちゃんと探したの?」
「僕を誰だと思ってるの?夫と言う名のストーカーだよ?」
「それが嫌で逃げ出した…なんてこと、名前に限ってあるわけないか…」
「だよね?名前はこんな変態地味た僕のことが大好きなのに、おかしいよね?」
やばい。
呪術師最強なんて言われてるけど、
名前がいないだけで、
マジで泣きそう。
どこいっちゃったんだよ。
名前…