第31章 可愛い妻の誘拐
side.冥冥
久しぶりに高専に顔を出したら、
見かけない子がいた。
彼女は確か…
五条くんの花嫁だったかな?
初々しくて、可愛い子じゃないか。
呪術の練習をしている様子を
暫く眺める。
今回、ここに来たのも、
彼女の父親の依頼を引き受けるため。
なんせお金の匂いがプンプンしたからね。
あの子の父親である苗字財閥の現当主。
彼の呪いを祓うこと。
その依頼の額を聞いて、
高笑いをせずにはいられなかった。
彼女を抱き込めば苗字財閥の株も
私の手中かな?
「フフッ。面白い」
Mrs.五条を見ていると、歌姫が来た。
「あれ?冥さん、まだ帰ってなかったんですか?」
「ああ。ちょっと可愛い子を見つけてね」
「あー。名前ですか」
「彼女は名前というのかい?」
「五条のバカが四六時中、名前。名前。五月蝿くて、鬱陶しいったら」
「あの五条くんがそこまで執着するなんて…フフッハハハッ!」
「笑い事じゃないですよっ!こっちは色んな事に支障をきたして大迷惑なんですからっ!」
良い事を聞いた。
ますます彼女に興味が沸いたよ。