第3章 新生活
side.五条悟
「ただいまー」
宿舎に帰ると室内が真っ暗だった。
名前の姿が見当たらない。
どこ行っちゃったのさ。
まさか!
僕のこと嫌いになって逃げちゃったとか?
風呂場にもトイレにもいない。
寝室を開けると、そこも真っ暗。
パチンと電気を付けると、布団が人一人いそうなくらい膨らんでいる。
良かった。
寝てただけか。
「さ、悟さんっ」
布団の中からくぐもった声で僕を呼ぶ名前。
「名前。どうしたの?お腹痛い?」
布団をめくった瞬間。
僕は目を見開く。
そこには全裸の名前がプルプルと震えていた。
「…す…す…好きなのっ」
顔を真っ赤にして告白される。
何これ?
可愛過ぎるでしょ?
どうしてこんなになっちゃった訳?
僕は名前をふわりと抱きしめて、キスをした。
「あ…あの…」
「ん?」
「私…悟さんがっ…」
「うん。僕を好きなんでしょ?」
「…うん…」
涙目の名前が僕を見上げる。
あー。
これヤバイ。