第22章 妻の過去
side.五条悟
翌日。
僕は名前を実家に預けて。
彼女の父親に面会した。
「それで話と言うのは何かな?」
横柄な態度。
さすが苗字財閥の社長だね。
「単刀直入に申します。私は妻の名前を愛しているので。彼女を傷つけた貴方を許せないんですよ」
「ほう。訴訟でも起こそうと言うのかな?」
「ははっ。そんな面倒なことはしませんよ」
「では、どうすると?」
「私の力はご存じで?」
名前の父親に笑顔を向ける。
「…どういう意味かな?」
「鈍いなぁ。僕はいつでも貴方を消せるんですよ」
彼の顔が歪んで、言葉を失くす。
「跡形もなくね」
僕は呪力でティーカップを割った。
“パリンッ”と割れたカップを見て、
名前の父の顔が恐怖に変わる。
そうそう。
その顔が見たかったんだ。
「こんな風に、貴方の消す事など。僕には造作もないんだ」
「何の…脅しだ…」
「そうですねぇ。妻が悲しむので、今は手を出しません。ただ…」
彼が固唾を飲む。
「今後、アンタが名前を傷つけるなら、俺はアンタを殺す」
「っ!!」
僕の可愛い妻を傷つける存在など。
この世からいなくなればいい。
本気でそう思っている。