第3章 新生活
side.名前
「あの…今日も遅い?」
「んー。どうだろう?何で?」
「えっと…あの…何でもないっ!」
「そう?じゃあ、早く着替えてリビングにおいで」
「…うん…」
私たちはいつエッチするの?なんて。
とてもじゃないけど聞く勇気がない。
でも私だってそういう事に興味のある年頃。
それに結婚してるわけだし。
そういう営みがあっても不思議じゃないと思うの。
なのに、この1ヶ月。
悟さんはキスしかしてくれない。
どうすればいいんだろう?
「はぁっ…」
溜息を吐きながらリビングへ向かう。
「やっと起きてきたね」
「僕はもう仕事に行くけど、遅刻しちゃダメだよ?」
「うん」
「名前」
「うん?」
「行ってらっしゃいのチュウして?」
悟さんは私の前に屈むと、唇をツンツンと示す。
“ちゅッ♡”
私は背伸びをして、悟さんに口付けをした。
「行ってらっしゃい」
「うん。行ってきます」
こうして悟さんはお仕事に行ってしまい。
残された私は一人寂しく朝食をとる。