第20章 僕の発情期*
side.名前
ここは妻として、しっかり話を聞いてみよう。
「…悟さんは…赤ちゃんが欲しいの?それとも…その…エッチがしたいの?」
「うーん…夫婦になって一年経ったし。そろそろ先の話をしてもいいかな?って思ってさ」
「そっか…」
でも、こうして聞いてくれるって事は。
私の意見も尊重してくれるんだよね?
「私は…まだ…赤ちゃん作れない…」
「そっか…」
悟さんは優しく相槌をうってくれる。
「…先ず高専を卒業したい…」
「うん」
「あとは車の免許も取りたい…」
「うん」
「…あと…結婚式も上げたい…」
「そうだね」
「悟さんはどう思う?」
私の意見ばかりじゃなくて、悟さんの考えも聞きたい。
「僕は今の話を聞いて。もう少し待ってもいいんじゃないかな?って思ったよ」
「そっか…」
ほっと胸を撫で下ろす。
「でも発情期は?」
「…それは…名前に協力してもらいたいけど…」
「何か不安なの?」
「名前を…壊しそうで怖いんだ…」
そんな事で悩んでたの?
「私は大丈夫だよ」
悟さんの方が大事だから。