第16章 お花見交流会*
side.名前
「ねえ?悟さん」
「うん?」
「何か食べたい」
「いいよ。取ってあげるね」
皆がどんちゃん騒ぎをしてるのを見ながら、
私は取り分けて貰った物をもぐもぐ食す。
途中、歌姫先生が今度は悟さんに絡み始めた。
「ねえ?アンタ達。もしかして毎日そんなにベタベタしてるの?」
「そうだよ?なんか問題ある?」
「いや…名前は嫌がらないわけ?」
私は首を傾げる。
何で私が悟さんを嫌がるんだろう?
「名前は僕とイチャイチャするの嫌?」
「ううん。だってこれが妻の役目なんでしょ?」
「ほらね」
歌姫先生は悟さんを指さしながら、
パクパクと言葉にならない声で何かを伝えようしているご様子。
どうしたんだろう?
それよりお腹がいっぱいになったせいか、ウトウトしてきた。
「名前。眠いの?」
「…うん…ちょっと…」
「酔っちゃったんだね。少し寝ていいよ」
私が悟さんの首に腕を回すと、
悟さんは頭を撫でてくれる。
私は直ぐに夢の中へと意識を飛ばした。