第16章 お花見交流会*
side.名前
顔が熱い。
ポカポカしていい気分。
これが酔うって事なのかな?
ほろ酔い気分になった所で、歌姫先生と硝子さんに顔を覗き込まれる。
「ねえ?名前?」
「はい?」
「名前は何で五条と結婚しようと思ったの?」
「えっと…んー。素敵だったから…です…」
普段なら恥ずかしくて言えない事も、
何故か言えてしまう。
お酒の力って凄い。
「アイツが素敵ー?」
「歌姫先輩。名前の目には、恋っていうフィルターが掛かってるんだよ」
「ああ、成程ね。それで?五条はすぐ名前に手出したの?」
「…んー。悟さんは…私のことをとても大事にしてくれて…」
硝子さんと歌姫先生の質問というか尋問に、
余計に頬が赤らんでしまう。
「あー。それは煮え切らない五条に名前が…」
「ちょっ!硝子さんっ!それはっ!」
慌てて硝子さんの口を塞ごうとしたけれど、
ギュッと抱きしめられて叶わなかった。
「ふにゃっ!」
「はいはい。内緒ね。分かったよ」
「硝子。私にも名前を貸しなさいよ」
「えー。やだ。私の弟子だもん」
硝子さんは私を抱きしめて離そうとしない。