第14章 僕のウサギちゃん
side.名前
何回も寝返りをうつけれど、やっぱり寝れなくて。
私は悟さんの香りがするワイシャツを見つけた。
自分のパジャマを脱いで、悟さんのワイシャツを羽織る。
こうしていれば、悟さんが抱きしめてくれてる気がした。
ネックレスがあっても、やっぱり一人じゃ無理だよ。
私は宿舎を抜け出して、医務室へ向かう。
「硝子さん?いますか?」
「いるよー」
そろっと医務室を覗いてみる。
「名前?どうした?こんな時間に」
「…あの…今日…ここに居ても良いですか?」
「構わないけど、どうした?」
「…悟さんが…帰ってこなくて…」
子供っぽくて恥ずかしいけど。
頼れるのはここしかなかった。
「あー。そういう事。いいよ。好きなところで寝な」
「…ありがとうございます…」
私は医務室のベッドに横になる。
医務室の明かりと、硝子さんの存在。
悟さんのワイシャツの香りと、ネックレスのおかげで。
少しずつ安心してきた。
これならちょっとは眠れそう。
私はそっと目を閉じる。
きっと明日には悟さんが帰って来てくれるから。
大丈夫。