第2章 お見合い
side.五条悟
「僕に出来ること…ってあるのかな?」
思わずポロリと弱音が零れる。
すると母が珍しいという目で僕を見てきた。
何さ?
僕だって好きな子には気を使うんだよ。
「悟さん。人は何故、結婚して自分の家庭を持つのか分かる?」
「えー。子孫繁栄のため?」
「それもあるけれど。親の死を乗り越える為には自分の家族が必要なのよ。人の心というのはね。とても脆いものなのよ」
「…そっか…」
僕のような仕事の人間には分からないけれど、
普通の女子高生がいきなり親を亡くしたら辛いよね。
名前には、それが早く来てしまったのか。
「極めつけが、あの反転術式か…」
家族に気味悪がられて、家を追い出された感じなんじゃないかな?
「えっ?悟さんどうして…って六眼があればお見通しよね」
「母さんは僕を何だと思ってるのさ」
僕が気づかないとでも思った?
以前、体育館で転んだ時に何となく呪力は感じてた。
多分、母親の死がトリガーとなって、大きくなったんだと思う。
あとは彼女次第だね。
高専には合格すると思う。
僕としても近くに置いておきたい。
反転術式の治癒は希少だから、高専は欲しがるだろうし。
きっと硝子が先輩なら大丈夫だろうけど。
彼女は呪霊に立ち向かえるのかな?