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【鬼滅の刃】水鏡之人【錆兎】

第7章 同期達の証言





「どうだかな。それに音羽の立場も少しは考えろ。」

「立場?」

「そうだ。お前は俺達同期が、お前の預かり知らぬところで、なんと言われていたのか、知ってるのか?」

「ん?」

「……錆兎のお豆だ。」

「はぁ?」

初めて聞く言葉に、錆兎が眉間にシワを寄せる。その顔を見て、義勇は「やはりな。」と呟いた。

「選別でお前に助けられた俺達は、選別を自分の力で突破していない。そう見なされて、同じ鬼殺隊の土俵にも立てていないお豆だと、ずっと揶揄されてきた。」

「……なんだよ、それ。」

「俺は反応が薄いからな、誰も何も言わなくなったし、村田辺りはあんな性格だから気にもしてないが、音羽は……、あの容姿で女ってこともあり、ずっと好奇の眼に晒されていた。」

そこまで言うと、義勇はチラッと錆兎の表情を伺った。

「ここから先は、音羽の気持ちを理解するには重要だが、お前には厳しい話しになるぞ。それでも聞くか?」

義勇が試すような視線を向けると、錆兎はそれを真剣な目で見つめ返した。

「当たり前だっ!音羽に関することなら、どんなことだろうが構わない。しかも俺が原因なら、尚更だ!」

錆兎の力強い返事に、義勇は「やはり、錆兎だな。」と、感心したように呟くと、話を続けた。

「音羽…アイツはな。女だと言うだけで、俺や村田とは別の…、違った非難を受けることもあった。鬼殺隊は男所帯だ。なんとなくは想像出来るだろ?」

その言葉に、錆兎の胸がザワつく。何かを言おうとして、口を開きかけるが、今は大人しく義勇の話を聞こうと、思い留まった。

「でも音羽は、そんなものに負ける女じゃない。……アイツは、努力して力を付ければ、そんな野次は払拭できると思ったんだ。だが、どんなに努力して強くなっても、鬼を倒して階級を上げても、周りの反応は変わらなかった。」

「な、なんでだよ?」






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