第7章 同期達の証言
錆兎が目を瞑ると、温かい感触が唇を覆い、優しく食まれる。
初めての音羽からの口づけ。
それだけで気分が高揚し、下半身が痛いほどに反応する。
「錆兎……好きよ。」
音羽の柔らかい手が、錆兎の胸から腹に掛けて、優しく流れるように滑る。そのゾワゾワした感触に身体が震えてくる。
「貴方のここ、もうこんなになってる。」
妖艶に微笑む音羽の指先が、興奮ではち切れんばかりに膨らんだ錆兎の下半身を、隊服の上から刺激するようになぞると、錆兎の興奮はとうとう限界点を突破した。
「音羽、俺も好きだぁっ!!」
錆兎はそう叫びながら、音羽の身体に抱きつき、押し倒すと、その豊満な胸の谷間に顔を埋めた。
ついこの間、初めて顔を埋めて、その柔らかさに感激した。その時の感動をまた味わいたくて、さらに顔を擦り寄せる……が、
ゴリッ……
………ん?
この前とは明らかに違う感触。
錆兎は首を捻ると、音羽に問いかけた。
「……なんか、凄く硬くないか?音羽お前、あのフワフワなおっぱいはどうした?……これじゃ、まるで男……、」
「…そうだろうな。錆兎、それは俺の胸だ。」
「ふぇっ?」
錆兎が寝ぼけた眼を開き、ゆっくりと顔を起こす。
その先にあったのは、愛しい音羽の美しい顔ではなく、幼い頃から兄弟のように過ごしてきた親友、冨岡義勇の呆れたように錆兎を見つめる顔だった。
「ぎ、義勇!?うあっ、気持ちわるっ!!」
押し倒して、抱きついていたのが義勇の胸だとわかり、錆兎は暴言を吐いて、急いで義勇から離れた。
それを見ていた義勇が、イラッとしたように眉をひそめる。