第7章 同期達の証言
「……音羽、愛してる。」
錆兎はそう囁くと、目の前にいる愛しい恋人・音羽の手を掴んで、自分の方へと引き寄せた。
しかし、錆兎の胸へと引き込まれる直前、音羽の手が錆兎の身体を押し返す。
「待って?」
「どうした、音羽?」
愛しい恋人に拒否され、錆兎は怪訝な顔で、音羽の顔を覗き込んだ。音羽は頬を染め、恥ずかしげに錆兎を見つめ返すと、小さな声でこう囁いた。
「……今日は、私にさせて?」
「させるって、……何をだ?」
そう問いかけると、音羽が突然、錆兎の胸の辺りを軽く押した。その反動でよろける錆兎が、尻もちを着く。音羽は、その足の上に跨った。
「いつも、錆兎に気持ち良くしてもらってるから……、今日は私がしてあげたいの。」
何か言おうとした錆兎の唇に、人差し指を当てる。
「何も言わないで?……今日は私が、錆兎を天国へ、連れて行ってあ・げ・る。」
「天国……、ゴクっ、」
何をされるかわからないが、『天国』その甘美な響きに、思わず喉が鳴る。
錆兎が期待に満ちた眼差しで見ると、音羽は妖艶に微笑み返し、徐ろに錆兎の隊服に手をかけた。
ゆっくりと脱がされ、上半身を裸にされると、今度は自分の衣服に手をかける。
錆兎の眼前で艶めかしい肢体が、徐々に露わになっていく。
布擦れの音を立てて、最後に身体を隠していたサラシが下に落ちていくと、その奥に隠されていた、たわわに実った果実がプルンッと揺れ、思わず錆兎の視線が釘付けになる。
手を伸ばし、目の前に現れた、大きく柔らかな果実を掴もうするが、その手を音羽が指を絡めて、押し留める。
「まだ、だめ。…私からしてあげるって、言ったでしょ?」
そう言うと音羽は、優しく両手で錆兎の顔を包み込み、顔を近づけた。