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【鬼滅の刃】水鏡之人【錆兎】

第5章 燃ゆる想ひを※





錆兎の顔がゆっくりと音羽に近づく。恥じらうように、音羽の顔が微かに背けられると、錆兎の指先が音羽の顎を掴み、引き戻した。

「何年待ったと思うんだ?もう、逃さない。」

錆兎はそう言うと、静かに音羽の唇に、自分の唇を重ねた。

初めて感じる、暖かく柔らかい感触。そのあまりの心地よさに、錆兎は自分の感情が、高揚していくのを感じた。

(なんだ、これ。すげー気持ちいい。……止まらない。)

そのまま角度を変え、何度も唇に吸い付く。暫く吸い付いていると、音羽の唇の端から、くぐもった吐息が漏れだした。

「んっ…んんっ…!」

音羽が激しく、錆兎の肩を叩いた。錆兎が唇を離すと、音羽は苦しそうに息を吐き出した。

「い、息が…出来ない!」

「鼻でするんだよっ!」

「だって、初めてしたからっ!……そんなの、わかんない…、」

「そんなの、俺だって、初めてだっ!」

その瞬間、二人の顔が真っ赤に染まった。

「でも…なんだ。俺たち、だいぶ遠回りしたな。……でも、やっと…捕まえた。」

錆兎が嬉しそうに微笑むと、釣られて音羽も、恥ずかしそうに可愛く微笑んだ。

(……やばい、可愛い。)

錆兎はそのまま音羽の顔に、自分の顔を近づける。少し青みがかった紫苑の瞳が、音羽の瞳を捉える。

「…このまま続きを、してもいいか?」

伺いは立てるが、もちろん答えはもう聞かない。

何かを言いかけるように、口を開き掛けた音羽を見ずに、そのまま優しく床に押し倒した。






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