第5章 燃ゆる想ひを※
音羽が止めるよう促すと、錆兎は胸を弄んでいた左手を音羽の腹部に回した。
「もう少しいいだろ?…こんなにここ濡らしてるんだ、お前だって気持ちいいんだろ?」
「そ、そんなこと…、」
音羽が錆兎から離れようと、身体を動かした。しかし、腹部に回された錆兎の手が、それを抑え込んだ。
「っ!……どう…したの?今日…ちょっと…、」
おかしいわよ。そう言おうとした、音羽を遮るように、秘部に差し込んだ指先が、乱暴に中を掻き回した。
「んっ!……さび…と…、待ってっ!」
音羽の手が、腹部に回された錆兎の腕を、拒否するように強く掴む。
「お願い、もう離してっ!」
はっきりと拒否するような言葉を掛けられ、錆兎のイラつきが増してくる。
傷つけたいわけじゃない。ただこの行為の時だけは、音羽を自分の物にしたい。その気持ちが強くなる。
中を弄る手にさらに力が籠もり、そのあまりの激しさに、音羽が苦しそうに声を上げた。
「本当に…待ってっ…、それ…以上は…っ!」
音羽が嫌がって、脚をバタつかせる。しかし、錆兎によって全力で抑え込まれた身体には、無力な抵抗に過ぎなかった。
「逃げるなって!……中、ヒクついてるぞ?気持ちいいんだろ!!」
そのまま、挿入させた指を増やし、膣内の壁をぐりぐりと、乱暴に押し擦ると、音羽の身体が弾む。
「だって、いつも…こんな…っ、無理矢理じゃ…!だめっ…いやっ!」
音羽の声が上擦る。こんなのは、いつもの錆兎じゃない。いつもは音羽が嫌がることは絶対にしない。触れてくる手も優しくて、本当に音羽を傷つけないよう、気を使ってくれてるのが、わかるくらいなのに。
それなのに、今日は……
膣内を弄る錆兎の手を退かそうと、腕を強く掴むがビクともしない。錆兎は左手で、その手を無理矢理に引き剥がし、手ごと抑え込んだ。
「そんなに、嫌がるなよっ!」