第5章 燃ゆる想ひを※
音羽の身体に、こんなに密着するのも、口づけるのも初めてだった。その初めて感じる柔らかさに、錆兎の興奮が高まってくる。
こんなに心地よく、気持ちのいいものだって、初めて知った。……義勇の奴はもう、この肌の柔らかさを知っているのか…?
そう思うだけで、錆兎の胸が激しく痛む。嫉妬で気が狂いそうになる。
……なぁ、音羽。義勇とは、向き合ってするのか?ちゃんと顔合わせて、その目で見つめ合って…それで…、
錆兎の脳裏に、裸で身を寄せ抱き合い、顔を…唇を…近づけ合う、義勇と音羽の姿が過る。
……くそっ!!
どうしようない苛立ちが、募っていく。
錆兎はその残像を振り払うと、果実から離した右手をゆっくり降ろし、音羽の大切な部分に触れていく。
まだ充分に潤ってはいない入り口を、優しく搔き回し、指に蜜を絡めると、そっと内部に中指を差し入れる。すると、音羽の身体がビクッと震えた。
左手は絶えず、胸の突起物を弄び、差し入れた右手の指先で、中を優しくゆっくりと掻き混ぜてやると、音羽が小さく声を上げた。
「……んっ…、」
何度も重ねた身体だ。コイツのことは、俺が一番良くわかってる。
音羽は中のここを、押し潰すように刺激してやると、気持ちよさそうに息を弾ませる。声も出さないコイツの、小さな反応を見逃さないようにずっと見てきたから、わかるんだ。
……心が手に入らないなら、身体だけでも…俺の物に…したい。
錆兎は差し入れた指先で、音羽の良いところを擦りながら、ゆっくりと出し入れを繰り返す。
「…んっ…っ…、」
次第に音羽の息が乱れ始めた。
その吐息を心地よく耳に感じながら、錆兎は指先を出し入れする速度を早める。
「はぁ…っ、錆兎…、もういい…から…、」
いつもだったら、ここまでしない。もう充分に準備は出来てる。