第5章 燃ゆる想ひを※
今すぐにでも強く抱きしめて、その肌の温もりも確かめたい。そんな衝動に刈られ、思わず錆兎は、音羽の肩を掴み、自分の方に振り向かせた。
「…なぁ、お礼だって言うなら、今日はお前と、前から…向き合って…させてくれないか?」
錆兎の発言に、音羽が眉をひそめる。
「何…言ってるの?……調子に乗らないで。助けてくれたことには感謝してるけど、別に私が頼んだわけじゃないし…、」
音羽の発言に、錆兎の胸がキリッと痛みを帯びる。
「そう……だよな。」
……俺とは、向き合って、目を合わせて…なんて、出来ない…よな。
……でもっ!
「じゃ、少しいい。今日は少しだけ、お前に触れてる時間を、多く貰ってもいいか?」
そう言うと錆兎は、音羽を後ろから優しく抱き締めた。
「ちょっ…と…、何してるの!?」
「……少しでいいから、今だけ……頼む。」
錆兎が消え入りそうな声で呟くと、音羽の動きが止まった。
音羽の抵抗が無くなると、錆兎はその柔らかさを、全身で確認するように強く抱き締めた。
そのまま、音羽の身体の輪郭をなぞるように、手をゆっくりと滑らせていく。
細い腰を擦り、腹を手の平で撫でつけ、そこから上へと滑らせると、大きめの柔らかな両方の果実を、そっと手の平で包み込んだ。
そのまま優しく、先端を刺激するように指と指の間に挟みながら、揉みしだいていく。
「……っ……ん…、」
敏感な先端の実を、指の腹で弧を描くように、優しく捏ねてやると、音羽の身体がビクッと跳ね、小さく仰け反る。
錆兎はその柔らかな背中にそっと口づけた。
その瞬間、音羽が息を呑むのがわかった。
「ちょ…っと、錆…兎?」
身体の強張りで、音羽が戸惑っているのがわかる。普段なら、絶対にしない行動。しかし錆兎は、構わずに、その背中に何度も、口づけを落としていく。