• テキストサイズ

【鬼滅の刃】水鏡之人【錆兎】

第4章 二人きりの任務





「宜しくお願いします。それと…そこにある小屋は、鬼退治の間、自由に使ってくださって、構いません。食料やら、少しの備蓄など置いてありますから。」

そう言って、目の前にある小屋を指す。

錆兎たちが了解すると、男はこの場にいるのでさえも、どうやら怖かった様子で、そそくさとその場から、去って行った。

小屋の中に入ると、中は綺麗に掃除され、整頓されていた。

囲炉裏や竈もあり、布団まで完備していて、生活感もあった。もしかしたら、山の管理を任せていたと言う、夫婦の家なのかもしれないと、錆兎は頭の隅で思った。


部屋の隅に荷物を置いて、準備を整えると、横に置いてあった音羽の荷物が目に入る。そこには、例の義勇とお揃いのガラス玉の装飾品が付いていた。

音羽の目の色、薄茶のガラス玉と、もう一つ。

(……まだ村田に渡してないのか?)

錆兎が不思議に思い、首を傾げる。でもこのガラス玉の色は、村田の色じゃない。

軽く青みがかった薄紫色のガラス玉。

(………この色、どっかで。)

「何してるのよ!」

突然、音羽に後ろから声を掛けられ、錆兎はビクッとして、振り向いた。

「早く行かないと、もう日が暮れるわよ!」

「あぁ、済まない。」

錆兎が慌てて、外に出る。それを確認すると、音羽が目の前の山を見渡しながら言った。

「かなり、広いわね。二手に別れましょ?」

そう言って、スタスタと歩き出す音羽の手首を、錆兎が慌てて捕まえた。

「おい、勝手な行動はするなっ!俺が呼ばれた意味がわからないのか?十二鬼月がいるかもしれないんだぞっ!?」

「わかってるわよっ!」

音羽が錆兎の手を振り払った。

「私だって、十二鬼月の下弦くらいなら、もう倒せるわっ!余計な心配はしないで!」

「お前の実力はわかってる。でも、過信はするな。今日は義勇だっていないんだ。おとなしく、俺の傍にいろ!」






/ 202ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp