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【鬼滅の刃】水鏡之人【錆兎】

第13章 潜入捜査・壱





一旦、林の中へと引っ込んだ音羽達三人は、屋敷からは死角になる木の影に身を隠し、お互いの状況を確認し合った。

「なぜ、お前たちがここにいる?」

開口一番、義勇にそう問われ、音羽は錆兎と軽く目線を合わせると、町で聞いた噂を掻い摘んで話した。

「だから私達は、その噂の真相を探る為に来たのよ」

「で、どうなんだ義勇。お前がここにいるということは、やはりあの屋敷には、鬼に関する何かしらの疑いがあるってことか?」

まさか鬼殺隊の甲の隊士が、刀を持った隊服姿でこんなところをウロウロとお散歩してるわけがない。

錆兎が問い正すような視線を義勇に投げかけると、義勇は顔を上げて木の隙間から見える屋敷の高い塀を見上げた。

「確かに俺は鬼殺隊の任務でここへ来た。だが、今はまだ調査段階で、詳しいことは何もわかっていない。なのに……」

義勇の切れ長に鋭く光る瞳が、チラリと錆兎を睨む。

「いきなりお前達が現れて、さらに中に突入しようとまでするから、正直肝が冷えた」

呆れが混じった義勇の言葉に、錆兎の隣の岩場に腰を掛けていた音羽は、申し訳無さげに「それはごめんなさい」と呟いた。

しかし錆兎は反対にどこ吹く風と言った顔を義勇に向ける。

「別に問題ないだろう?調査も進んでないんじゃ、手っ取り早く中に忍び込んだ方が…「それは駄目だ」

錆兎の言葉を、義勇が少し強め口調で遮る。

「この屋敷の所有者に、問題がある」







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