第10章 素直への第一歩
しかしすぐに「まっ、いっか。」と笑顔を浮かべると、恥ずかしそうに顔を手で覆う音羽を横目に、洗い場に座り込み、軽く身体を洗って、湯船に入り込んできた。
音羽が慌てて、広い湯船の端の方に逃げる。
「なんで、逃げるんだよ。」
「に、逃げてないっ!」
錆兎と目を合わせないように、顔を背ける音羽に、錆兎はニヤッと微笑むと、
「じゃ、そっちに行ってもいいよな?」
と、音羽に近づいてきた。
そして、身構えて背を向ける音羽の腹に手を回すと、ヒョイッ持ち上げて、自分の脚の間に囲う。
「きゃっ!やだっ、ちょっと変なところ触らないでよっ!」
「変なとこって、どこだよ。」
そう言って、音羽の腹に回した手で引き寄せると、背中にぴったりと密着して、肩に顎を乗せてすり寄る。
「ち、近いっ!」
「別にさっき、気持ちを確認しあったばかりなんだから、問題ないだろ?…それに、一緒にお風呂入るとか…してみたかったんだよな。」
この男は、一緒の布団で寝たいとか、起きたら二人で目が合ってはにかみ合う…とか、意外に恋人に妄想抱きがちか?
そんなことを考えていると、いきなり耳元にフッと息を吹きかけられ、音羽の身体がビクッと震えた。
「っ…!」
「そんな怯えるなよ。」
恥ずかしそうに顔を伏せて、小さく震える音羽を見てると、また嗜虐心が刺激される。
錆兎は感触を確かめるように、回した手を音羽の肌の上で滑らせた。
「きゃぁっ…、」
「お前、やっぱり柔らかいな。……特にここ、」
お腹に回った手が、上に上がる。
「あ、やだっ!触らないでって、いったじゃないっ!」
「俺もやだ。裸のお前が目の前にいるのに、そんなこと、我慢出来るわけないだろ!」
なぜか逆ギレされ、すぐに大きな二つの果実を両手で鷲掴みされる。
「んぅっ!」