第8章 音柱の任務と蝶屋敷の女主人
「たぶんね、私は錆兎くんが欲しがっている答えを知ってると思う。でもそれは、錆兎くん自身で見つけなきゃ、意味がないと思うのよ。」
そう言って申し訳無さそうに苦笑いを浮かべるカナエに、錆兎は心の内に思っていた疑問を投げかけた。
「…なぁ、これだけは聞いていいか?まさかアイツ、両想いになったことで満足して、俺に飽きた…とかはないよな?」
不安そうに錆兎が顔を覗き込むと、カナエは笑顔を浮かべたまま、動きを止めた。
「…な…なんだよ、その反応は……、」
カナエの微妙な反応に、顔を引き攣らせると、カナエは「ふぅ…。」と小さく息を吐いた。
「まぁ…、女の子の気持ちって、移ろい易いって言うから、…そうなっても…ね?鬼殺隊って、守ってくれる素敵な男の子、一杯いるもの♡錆兎くんもうかうかしてると、すぐに持っていかれちゃうかもね?」
カナエのまさかの返答に、錆兎の身体が衝撃を受けたように止まった。
(まさか…本当に、音羽が俺以外の男と………?)
錆兎の脳裏に、誰とも知れない男に抱かれる音羽の姿が浮かび上がる。
ー 錆兎妄想タイム
モブ隊士『いいのか、俺とこんなことしてて?アンタと水柱様の関係は、もう周知の事実だぞ?』
『……別に。あんな男、もう興味ないから。』
『おいおい、相手は伝説の柱だぜ?』
『柱だと思って、どんなもんかと期待してたんだけど、手に入れたら…意外とつまらない男なの。』
『へぇ。』
『やたらと自分の女だと主張しようとするし、待ち伏せまでして、私を束縛しようとする心の狭い男よ。』
『そうなのか、最悪だな。』
『私はね、後腐れのない関係が好きなの。……ねぇ…今から…いいでしょ?』
『あぁ…、アンタみたいな美人抱けるなんて、運がいいぜ。』
『んぅ…、ねぇ、最近ご無沙汰なの…、…今日は、私が満足するまで抱いてくれる?』
『あぁ、いいぜ?忘れられない夜にしてやる。』
そう言って、顔を寄せ合う二人の唇が重なり合い………、