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【鬼滅の刃】水鏡之人【錆兎】

第8章 音柱の任務と蝶屋敷の女主人





ー 診察室



「うん…、特に問題は無さそうね。」

診察室で、カナエは診察ために掴んでいた錆兎の腕を離すと、自身の机の前の椅子に座った。

「そうか、良かった。」

数年前に鬼に受けた傷。感知はしているが、たまに思い出したように鈍く痛む時があり、たまにこうして、蝶屋敷に通って様子を見てもらっている。

「鬼殺隊である限り、こういった傷は増えてくると思うけど、あまりに痛むようだったら、お薬出すから言ってね。」

カナエの言葉に、錆兎は静かに頷いた。

「じゃあ、また数カ月後にきて?」

「了解した。」

錆兎の返事を確認すると、カナエは机に視線を向け、錆兎のカルテに何やら書き込んでいく。

錆兎は診察のため着崩していた隊服を着直すと、その横顔をじっと見つめた。

(相変わらず、綺麗な顔をしてるな。)

錆兎は素直にそう思った。間違いなく鬼殺隊女子の中で、上位3位内には入る。この美しい顔で微笑まれ、優しく治療されたら、男はイチコロだろう。その手腕は、あの怒れる狂虎、風柱・不死川実弥をも手懐けるほどだ。



そして全然関係ないが、ついでに付け足すとカナエは音羽の親友でもある。

錆兎はさらにじっくりと、カナエの顔色を伺うように見つめた。

もしかしたら今一番、音羽の心の内を知る人物だろう。そう思い、錆兎はカナエの顔を軽く覗き込むと声をかけた。

「カナエ、あのさ…、」

「なぁに?音羽の居場所なら、もう教えないわよ。この間、怒られちゃったから。」

錆兎の視線を感じていたのだろう。待っていたかのように、即座に答えるカナエに錆兎は軽く首を降った。

「いや…それはもういい。義勇にも変質者みたいだから、止めろって言われた。」

その言葉にカナエは、顔を上げて錆兎を見ると、人差し指を顎に当てて考える素振りを見せた。






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