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【鬼滅の刃】水鏡之人【錆兎】

第8章 音柱の任務と蝶屋敷の女主人





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ー 同時刻・蝶屋敷



村田と別れた錆兎は、目的の蝶屋敷に来ていた。


屋敷の門を潜ると、一頭の綺羅びやかな蝶が、頭上を優雅に通り過ぎていく。

錆兎はここに来ると、いつも不思議に思うことがある。
蝶達は別に連れて来られたわけじゃないだろうに、自主的にこの屋敷に集まってくる。そして、なぜか逃げない。

なにか…蝶達が好みそうな蜜を携えてる草花でも育てているんだろうか?



そんなことを考えながら屋敷内に入ると、ちょうど錆兎の前を、ここの従業員であろう白いワンピースに身を包んだ少女が、忙しそうに走り抜けて行った。

「おっとっ!……ここは相変わらず、盛況だな。」

ま、喜ばしいことではないが…、小さくそう付け足すと、錆兎は邪魔にならないよう、端を歩きながら、直で主治医でもある胡蝶カナエの診察室を目指した。

途中、通り過ぎた病室の中を、横目でチラリと一瞥すると、まだ年端も行かない女兒が、隊士の包帯を変えていた。

先程通り過ぎた少女もだが、あの娘もきっと孤児だろう。



ここ蝶屋敷は、鬼との戦いで傷ついた隊士達や民間人の治療や静養、回復訓練などを行う、鬼殺隊の施設だが、

その他にも、鬼によって身内を失った孤児や、鬼殺隊員として挫折した隊士などを積極的に引き取っては、衣食住を提供する代わりに、ここでの仕事に従事して貰い、自立のための生きていく術を教えている。

その制度を確立させたのは、これから錆兎が会おうとしている、この家の女主人だ。


花柱・胡蝶カナエ

若くして、蝶屋敷の女主人となったカナエは、鬼殺隊の柱としても、その責務を熟しながら、ここ蝶屋敷で医療者としての職務にも着いてる。

鬼殺隊士はただでさえ、辛い修行に鍛錬、過酷な鬼退治を強いられる。加えて、柱としての激務。それらを熟し、さらに医療を学び、その点からも人を助けている。

錆兎もその経歴から、化け物と揶揄されることもあるが、本当の化け物はカナエの方じゃないか?と、いつも思う。






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