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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第31章 耳掃除をしよう(春日山勢)


佐助「いつも君のことを上から見ているから変な感じがするな」

「ふふ、そうだね。私もそう思う。
 特に信玄様は普段ほんとに見上げてますっ!て感じだから変な感じがしたなぁ」

佐助「信玄様は背が高いからね。現代の単位でいくと185くらいありそうだ。
 隣に立つと俺は標準並みの身長なのに小さく見えるからちょっと自尊心が傷つく」

「そうなのっ!?ふふ、大丈夫、佐助君の背が低いなんて思ったこと1度もないよ」


会話をしながら耳掃除をしていくと……


「なんかススっぽい汚れが…」

佐助「最近煙玉を改良中なんだ。定期的に実験しているから耳も汚れているかもしれないな」

「煙玉の実験っていうと、やっぱりモクモクッ!って感じ?」


綿棒を借りてスス汚れを取っていくと、真っ白な綿棒に黒い汚れがついた。


佐助「そうだね、バンッ!モクモクだ」

「ふふっ、煙玉なんて時代劇でしか見たことないなぁ。
 私が居る間に実験する予定があったら呼んでね。
 そうだ耳掃除が終わったらお部屋のからくりも見たいな」

佐助「もちろんだ……ん………」


ススがとれたので耳かきを再開すると佐助君が呻いた。

表情筋が死んでいると主張する佐助君だけど、明らかに眉が寄って口元が引き締まっている。

眼鏡も外しているせいもあって完全に別人に見えるなぁと思いながら掃除していると、ころんと大きな耳垢が出てきた。


「わっ!見て、佐助君っ!おっきいのがとれた!」


耳掃除をしている私としては大きな収穫物に歓喜したけれど、佐助君は『えっ!?』と慌てて起きあがった。


佐助「忍法証拠隠滅の術」


全然忍法っぽくないネーミングだったけど、佐助君に見せようと懐紙に置いた収穫物がパッと消えてなくなった。


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